インドを撮り歩いて(34日目)

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13時過ぎまで寝た夢で飛び起きるも、時計を見ると8時過ぎ。

早速宿を出てムンバイ中心部に向かいたいところだが、インド都市部もこの時間はまさにラッシュアワー。
その過酷ぶりは、東京のJR中央線ラッシュアワーに比するかそれをも超える。
現地感を味わうという意味ではラッシュに乗り込むのも良いのだが、セキュリティ的な面も考えて少し部屋で時間を潰し、9時半頃に宿を出る。
宿近くでリクシャを拾い、最寄りのアンデリー駅へ。道が空いていればリクシャで10分も掛からない。
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アンデリー駅に到着。流石にムンバイ近郊の駅、かなり近代的な造りだ。
そしてなんとなく予想はしていたが、チケット売り場にはかなりの行列。窓口の数は20超あるにも関わらずだ。
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もう少し時間を潰そうと駅横にあるチェーン店らしきファストフード店に入る。
適当に頼んだパスタとホットドッグ。ホットドッグは案の定のマサラフレーバー。パスタは胡椒効きすぎな上にしょっぱい。なんとも微妙な味。
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食事を済ませ、チケット売り場に並ぶ。
多少空いてきたお陰もあって、10分程度でチケット購入完了、いざホームへ。
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ここでも案の定というか予想通りというか、到着する電車は既に現地の人達でかなりの混雑。もう10時半過ぎではあるのだが・・・。
インドにもフレックスタイム制があるのだろうか。
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とりあえず、一本電車を見送り、次の電車を待つ。
間もなく電車は到着したが、どうにも違和感、そして直ぐ気がつく。全ての車両に乗っている人全員が女性だ。
インドに女性専用車両があるのは知っていたし、ニューデリーでは間違えて乗車してしまい、女性警官に注意されたりもしていたので気をつけてはいたが、これはどういうことか。

近くにいたインド人に、「何この電車?」と聞くと「Lady’s special」との回答。
なるほど、女性専用”車両”では無く、女性専用”列車”ね。インドでは女性に対する暴行なども多く聞くし、正しい対処だとは思う。


・・・さて、こういう電車の次は、勿論混雑。なので、もう一本見送る。
次なら空いてる・・・わけも無く、仕方なくそのまま乗車。後で分かったのだが、どうやらこの電車は快速だったらしく、それもあって混雑していた模様。
見分け方(電光掲示板のModeという欄に表示されている「F」がFast、「S」がSlow?)も分かったので、次からは各駅を利用しようと心に誓いつつシャッターを切った。
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気になっていたサンダルショップがあるグラントロード駅で下車、駅前を散策しつつスナップしつつ向かう。
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目的のショップは直ぐに見つけられたが、個人的にデザインがイマイチだったので購入は見送る。
その後、タクシーを拾い、CST駅付近に移動し土産物屋などを見たりと散策。相変わらずCSTは美しい。
気になったものや人々にカメラを向けつつ、目的地のマハトマー・ジョーティバー・プレー・マーケット(ムンバイ最大の食料品・雑貨市場)を目指す。
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マハトマー・ジョーティバー・プレー・マーケットに到着。
外見は西洋建築を思わせるが、中は活気に満ち満ちている。大小色々な商店が連なり、スパイス、茶、生鮮食品が所狭しと並び売られている。
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生鮮食品、雑貨、スパイス、お茶・・・活気のある市場は見歩いているだけでも面白い。
自分も気に入ったお茶を少し購入。
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マハトマー・ジョーティバー・プレー・マーケットを出て、
不意に現れたおもしろ看板(日本語的には)を撮りつつ周辺を少し散策。
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適当にタクシーを捕まえ、インド門方面へ向かってもらう。
道の混雑も有り少し時間は掛かったが、無事に到着。まずはカフェ・モンデガーへ。
ムンバイでは以前に同時多発テロが起こり、その際にはこの近辺のカフェでも銃撃や爆発が起こっている。
その為か、カフェ内に入るにもボディチェック・金属探知機でのセキュリティチェックが受ける必要がある。
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いざ入店、オーダーするものは勿論決まっている。
食べ物とビールだ。
キンキンに冷えたグラスで飲むビールは死ぬほど美味い。
ツマミに頼んだパニールティッカ(カッテージチーズをヨーグルトや香辛料でマリネしてから串に刺し、タンドールなどで炙り焼いたもの)もうまく、ビールが進む。(結局三杯飲んだ)
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食事も済ませ、ビールのお陰もあって少しご機嫌にインド門方面へ向かう。
この辺りはムンバイ中心部、高級ブランドショップや有名カフェチェーンも多く見られる。
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インド門近くに止まっていた、警察か軍の車両。
・・・鳥フンまみれだが。
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インド門は港に面して建っている巨大な門で、英国王ジョージ5世の来印を記念して1911年に建立された。
英本国からの要人歓迎式典会場としても使われている。
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インド門を撮りつつ周辺を歩いていると、ふと男性二人組に声を掛けられる。
英語があまり喋れない(お互い様だが)ようではあるが、どうやら一緒に写真を撮ってくれというらしい。
断る理由も無いので撮ると、「ファミリーで旅行に来ている、皆とも撮って欲しい」との事。
勿論OKだよと伝えると、次から次に周辺の人が集まりだす。
同じ位置からでは広角にしてもとても入りきらない、ぐっと後ろに下がって一枚。
流石はインド、家族のファミリー旅行もスケールが違う(笑)
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その後はインド門周辺のスーパーなどを周り、切れかけの生活物資を買い足す。
途中でヒマラヤのショップを見かけ、ここぞとばかりに土産用と自分用を合わせて買い込む。
(ヒマラヤはインドの美容や化粧品、クリームなどの有名ブランド、安くて質が良い)
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買い物を済ませた後はタクシーを拾い、バックベイ沿いにあるハッジ・アリー廟へ。
海に突き出て建っているイスラームの寺院だ。
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タクシーを降り、ハッジ・アリー廟を眺めつつ、
近くにあったジュースショップで売られているフルーツプリンでおやつ。美味い。
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海に掛かるハッジ・アリー廟への歩道を行く。
ここで溺死したイスラームの聖者の墓が廟になったのだという。
訪れた時はちょうど引き潮で、遠浅の界面が陽の光に輝いていた。
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潮の香りはせず、ただただドブ臭い。引き潮で露出した、真っ黒なテトラポッドの上を山羊が歩く。
その近くには掘っ立て小屋とも言うのが厳しいテントとその中で横になる人。歩道に眼をやれば、大声をあげて客を呼びこむ土産物屋。
更に進むと、両脇には障害者、子供、老人が並び物を乞う。イスラームの寺院・廟には施しを求めてそういった人達が集まる。その中を皆が進む。
土産物屋と物乞いの連続する道。満潮だったら、テトラポッドもほとんどが海没しているのだろう。
カップルがテトラポッドの間にいるカニを指さし笑う。その横では歩く人に手を差し出し続ける障害を持った老人。
更に先には、四肢が欠損した人たち4~5人が輪になるように横臥し、同じ文言を唱え続けている。通る人々はその環の中に小銭を投げ入れる。
彼らの傍らには、金属の皿、ツボ、あるいはコンクリートの地面に敷いた布切れ、その上に小銭や紙幣が並んでいる。
車いすに座り遠くを見つめる人、通行人を睨みつけるように物を乞う老婆。その先には高層ビル。
西陽を見つつ、更に廟に向けて足を進める。
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更に歩を進めると、ふと眼に飛び込んできたものがある。インドの街々ではよく見る、布の塊。
物乞いなのか、ハリジャン(不可触民・カースト外の人々)なのか、誰も眼にとめる事は無い、布の中身は大体がそういう人達だ。
しかし、今回のそれはとても小さかった。通り過ぎてから振り返ると、それは2~3歳の子供。傍らには金属皿。見る限りでは寝ている。
親は何処に?この喧騒でこの人通りで、なぜ寝ていられるのか。いやそもそも本当に寝ているのか。
通行の邪魔になるとは解っていたが、しばらくその場で立ち尽くしてしまった。
自分の両脇を歩く人々は、ただ通り過ぎ、たまに小銭をその皿に投げる。
友人と笑い合いながら、恋人と手をつなぎ談笑しながら、足元にある光景には目もくれず、水平線に傾く夕陽を見ながら歩き、アイスを食べながら、ジュースを飲みながら、廟を目指し、あるいは帰路を歩く。

自分はその場にいることも、その子を見ることも出来なくなり、足を早めて先に見えていた廟に入ったが、なんとも言えない心の引っ掛かりは消えない。
廟を散策し、沈む夕陽を眺め、同じ道を戻る。

やはりあの子はまだ寝ていた。死んでしまっているんじゃないか、そんな事も考えてしまう。
そしてまた考える、この子の親はどこにいるんだろう、本当にこの子は自分の意志で眠っているんだろうか。
貧困層・物乞いに関しての現実を綴った「物乞う仏陀」という本を読んだことがある。
インドや貧しい国で生きる人達を書いたドキュメンタリー・社会学的な本だ、それによるとこういったムンバイの物乞いのバックにはマフィアのような組織がいて、書くにもおぞましい行為をしてこういった子達を利用しているのだという。

これまでにも悲惨な、同情という言葉だけでは語れない物乞いたちは数多く見た。
しかし、ここまで形容の出来ない感情はなかった、それは自分の目の前にいるのが社会性を持つにはまだ幼すぎる子供だからか、それともこの子の親に対する疑問か、そもそもこの子の親は今も存在しているのか。

世界的にも有数の豊かな国から来た自分が何を考え、同情したところでそれは偽善でしか無く、自分がこの子に何ができる訳でもない。

自分はカメラを構え、ファインダー越しにその子を覗き、シャッターを押した。
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この光景を覚えておこう。そう思ってシャッターを押したのは、カメラ持ち始めてから初めてだったと思う。
その子の横を通り過ぎながら、横にあった金属の皿に小銭を入れたのは、その子への施しをしたという自己満足と、写真を撮った事への罪滅ぼしという偽善だろう。その金がどういった人間に渡るのかは知らないが。
そう思いつつ、ハッジ・アリーを後にし、
対岸から沈む夕陽をしばらく眺め、シャッターを切った。
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最寄りのマハラクシュミ駅に着く頃には帰宅ラッシュが始まる。
マハラクシュミ駅から、宿最寄りのアンデリー駅に向かう混雑した車内、
インド流浪旅の最終目的地で一番インドらしい歪(いびつ)な現実を突きつけられたのかもしれない、そんな事を思いながら電車に揺られた。
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“インドを撮り歩いて(34日目)” への2件の返信

  1. インド放浪堂々完結
    お疲れ様でした
    懐かしく感じながら楽しく拝見させて頂きました
    早く終わって欲しかったり終わって欲しくなかったりと複雑な心境でブログアップを待ってました
    肌にまとわりつく湿気と暑さ
    もとい、インドの強烈なエネルギーに再び浸かりたくなっているのでは?
    写真展も開かれた様でおめでとうございます
    インドには0から∞の全てが混沌として、しかし確かにそこにある
    そんな感じ

    旅はまた続くのか楽しみにしてます

  2. >>さまんたさん
    コメントありがとうございます!
    実質この日が印象と写真的にはラストに近いのですが、実は後まだ数日続いてしまいます・・・!
    いつも見てくださり、本当に感謝しております。

    またインドやアジアの濃い空気に触れたくてウズウズしております。
    また次の旅までにこの旅行記も書き上げたいなと思っております!

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